パーティー常連
20代に入ってすぐの頃、色々なパーティーに連れていって頂ける機会があった。
私は高校を出てすぐに働いているので、四年生大学に通う人はまだ学生というときだった。
私の周りにはすでの働いていて実家暮らしの友達ばかりだったので、学生の友達よりも遊びにかけられるお金が多かったこともあった。
バーのオープンやボジョレー・ヌーヴォー解禁など、今考えるとよくあんなにお酒が飲めたなと思う。
今では芋焼酎の水割りを一杯食事のときに飲めればそれで良い。
パーティーに行くと、まだまだ青臭い私たちは可愛がられた。
今考えてみると、ただ若いだけが取り柄だった。
でもそのときに、人の振り見て我が振り直せというのを痛感した。
どんなパーティーに行っても必ず居る20代後半のK子さん。
片手にグラスを持っていないのを見たことがないほどよく飲む。
ストレートのロングヘアをかきあげて、横にいるずいぶん年上の男性にぴったりと寄り添っていた。
冬でもタンクトップに毛皮のコートを着てきて、お店では露出度が高かった。
だだ若いだけの私たちのことをK子さんはあまり好きでは無かったとおもう。
トイレで顔を合わせるときは態度が悪かった。
キラキラした世界にいる大人に憧れていた私たちだったが、いつもK子さんを見かけることに気がつき、私たちが目指すべき女性像が分からなくなってきた。
何の仕事をしているか分からない人だったが、とにかくその場にいるおじさまの隣にいつも寄り添っていて、誰でも良さそうだった。
若い男の子がいれば飲ませる。
後半は酔いつぶれているようだった。
そんな様子を見て、「あんなアラサーには絶対なりたくない」と堅く誓った。
それから時間がすぎて私もすっかりアラサーだ。
先日カフェで数年ぶりにK子さんを見かけた。
相変わらず派手な格好だったが、シワが増えていた。
彼女はあのパーティー三昧で幸せに暮らせる相手を見つけられたのだろうか。