私が彼を好きになった理由について
私がその人を好きになった理由は、たぶん話しかけられてとても嬉しかったから。
異性に対してネガティブで怖いとまで思っていた私が、明るくキラキラした目で話しかけてもらったあの日、好きとかそう言う気持ちではなくただ純粋に楽しかったのです。
それまで、正直あなたの存在すら知りませんでした。
それなのに、とても自然で元気で優しく話しかけてくれた。
それからあなたは私の中で特別な人となりました。
自分に全く自信のなかった私です。
初めて男性と話しができた日になりました。
それから二年間、同じ教室で勉強ができたことを私は本当に幸せだったと思っています。
学校生活にたいした良い思い出も嬉しく思えるようなこともありませんでしたが、あなたと出会えたことだけは素晴らしい縁だったと思います。
もし、人生において誰が一番好きだったかと訊かれたら、私は彼の名前を口にするでしょう。
もう会うこともないであろうその人のことを、思い出すことができるほど時間にゆとりはありません。
顔も声も話し方さえも覚えていないけれど、確かに私にとって特別な人でした。
それだけは自信を持って言えます。
もうとっくに好きと言う気持ちはないのだけれど、あの頃のことを思い起こす時ちょっとだけ心は昔にかえります。
そして、苦笑いする。
人生なんてあっという間。
私はひたすら前だけを見て生きていきたいと、彼を思い出すたびに強く思うのです。
意地なのかもしれませんね。
自分でも変だと思うのですが、過去を思い出すたびに笑われないような女性になりたいなと思うのです。
実は三角関係が起こっていた仲間内
私は大学時代カフェでアルバイトをしていました。
サークル活動ばかりしていたので週に二回ほどしかシフトに入っていませんでしたが、とても楽しく働いていました。
気の合う仲間もでき、よくみんなで遊んでいました。
大体男女4人ずつで集まっていましたが、私は恋愛関係で悩まなくて良いこの仲間といることがとても好きでした。
私は高校時代まで女子校だったので男友達が少ないので、みんなでわいわい遊べる仲間はとても貴重でした。
そして、大学を卒業して就職してからもよく集まっていました。
そこでは昔の思い出をよく話していましたが、私がふと本当にこのメンバーは恋愛のごたごたがないからいいよね、と言うとあれ、知らなかったんだ、という答えが返ってきました。
実はこの8人の中で三角関係が一度起こっていたらしいのです。
私はシフトにほとんど入っていなかったので知らなかっただけだったのです。
思っていた以上にドロドロした関係が一時期あったようです。
全く気が付かなかった私も私ですが、よくそんな関係から今のように長い間仲良くいられる関係を続けられたね、と思わず言ってしまいました。
どうやらその三角関係は誰も付き合わずに終わったので、今のような友人関係が続けていられているそうです。
仲間内で誰かが付き合ってしまうと別れたときが大変だから結局こうなって良かったんだよ、と当人たちは言っていました。
私が今の心地よい友人たちとの時間を過ごせるのは、友人たち3人の実らなかった悲しい恋愛の結末のおかげだったのかと思うと、少し胸が痛みました。